発酵と向き合う暮らし

元々小学校の理科の授業で顕微鏡を使った観察にドはまりしたことがきっかけだったのかもしれません。

 

高校で唯一の得意科目は「生物」。高校1年終了時点で当時の共通一次試験の生物は楽勝で解けるくらいでした。

 

以降、色々と人生紆余曲折を経てようやく少し落ち着いたのか?…という頃、日々の家事をこなしながら再びムクムクと湧き上がってきたのが発酵食品に対する興味と探求。
そんな心の動きがきっかけとなり、昨年(2017年)末に一般社団法人 日本発酵文化協会認定「発酵マイスター」になりました。自分の中では、ずっと続いていた愉しみだったのですけど、他人に話す事はほとんど無かったので、最近松岡さんと知り合った方々には意外に感じた人もいらっしゃるかも知れません。

 

松岡さんが皆さんにお伝えしたいことは発酵食品は身体にいいですよ~…みたいなことだけではありません。

そのことだけなら他に大勢いる意識高い系の専門家の方が詳しいと思います。

 

松岡さんが伝えたい事とは、発酵のことを少し詳しく知ることで、食の知識は勿論、日々の暮らしや物事の捉え方の幅が拡がるヒントが沢山あるということです。

そして、得たヒントを実践し続けることで人生が豊かになるかも知れませんよ〜って言う提案です。

例えば、物事の捉え方の幅が拡がるヒントとして「発酵」という言葉の意味を今一度思い出してみるのも良いでしょう。

 

発酵(fermentation)とは、微生物の作用によって有機物が分解されてヒトにとって有益な物質が生成される現象です。

 

また、同じ作用でも、ヒトにとって有害な物質が生成される現象は「腐敗(decay; rotdecomposition)」と呼びます。

 

すなわち「発酵」という言葉は、地球上の三大生物の一つ「微生物」の営みをヒト目線の価値観で判断したものです。
言い方を変えれば、
先人達が目に見えない存在である「微生物」と向き合って暮らし続けた過程において積み重ねられた知恵を表す言葉と言っても良いと思っています。

 

利便性や効率を追求してスマホやコンピュータの画面に目をクギ付けにすることに慣れてしまい、暮らしの周りにある自然の変化に目が届かなくなることの怖さ…。

 

便利なことを否定非難するつもりはサラサラありません。

でも、糠床を混ぜている時に五感が敏感になっていることに気付いた時、肩や頭部をマッサージしてもらっているように血の巡りが良くなっているような気がするのは、単に錯覚しているのではなく無意識に自分の身体が喜んでいるんやなって思うわけです。